死柄木弔(しがらき とむら)徹底解説|本名・個性「崩壊」・過去と覚醒、その思想まで【僕のヒーローアカデミア】

救われなかった者が、世界を壊す。  死柄木弔 ――孤独が生んだ、もう一つの継承。

『僕のヒーローアカデミア』の世界で、破壊の象徴として描かれる死柄木弔(しがらき とむら)。
彼は“敵〈ヴィラン〉連合”の若きリーダーとして登場し、やがて超常解放戦線を率いる存在へと成長します。
本記事では、死柄木弔の本名や個性「崩壊」の仕組み、過去に秘められた悲劇、そして覚醒による変化を時系列で整理。
さらにアニメ・原作それぞれの重要シーンも紹介し、彼がなぜ「もう一人の継承者」と呼ばれるのかを紐解きます。
視聴ガイドでは、物語の転換点となるエピソードを中心に、DMMプレミアムで見返せる回の一覧もあわせてご紹介します。

目次

第1章 死柄木弔(しがらき とむら)のキャラクター概要

死柄木弔(しがらき とむら)は、『僕のヒーローアカデミア』に登場するヴィランの中心人物であり、物語全体を通して主人公・緑谷出久と対をなす存在です。
彼は「敵〈ヴィラン〉連合」のリーダーとして登場し、その後は“超常解放戦線”の最高指導者へと成長していきます。破壊を望む若者から、世界そのものを作り変えようとする思想的な存在へと進化した彼の姿は、作品のもう一つの“継承”を象徴しています。

■基本プロフィール

項目内容
名前死柄木 弔(しがらき とむら)
本名志村 転弧(しむら てんこ)
誕生日4月4日
身長175cm
所属敵〈ヴィラン〉連合 → 超常解放戦線
個性崩壊
声優内山昂輝(うちやま こうき)
初登場原作:第11話(カメオ登場)/アニメ:第1期第8話のラストに登場、実質的な初活躍は第9話以降のUSJ編

■性格と特徴

死柄木弔は、幼少期のトラウマから強い破壊衝動を抱えながらも、どこか純粋な理想を追い求める青年です。
彼が語る「壊してやる」という言葉には、単なる暴力ではなく「壊すことでしか救えない世界」という歪んだ理屈が込められています。
全身に装着した「手」は過去と罪の象徴であり、後に明かされる家族との因縁と深く結びついています。外見上の異様さだけでなく、その哲学的な背景が彼を“ただの悪役”ではない存在にしています。

■ビジュアルの変遷

初登場時の死柄木弔は、青白い髪と不健康な肌が目を引く不気味な印象の青年でした。
しかし物語の進行とともに髪は白く変わり、表情もより鋭く、威圧感を増していきます。
服装も初期のカジュアルな装いから、ロングコートやスーツを基調とした重厚なスタイルに変化し、まるで“支配者”のような風格を帯びるようになりました。

■物語における位置づけ

死柄木弔は、オール・フォー・ワン(AFO)の後継者として選ばれた存在であり、主人公・緑谷出久(デク)が受け継ぐ「ワン・フォー・オール(OFA)」の対となる存在です。
「継承」をテーマとする本作の中で、二人は光と闇、創造と破壊という対比の軸を担っています。
彼の存在は単なる敵役ではなく、“破壊の継承者”としてのもう一つの物語を示しているといえるでしょう。

■初登場シーン

アニメでは第1期第8話のラストに登場し、薄暗いバーの中でその姿を見せます。
その後、第9話以降のUSJ襲撃編で本格的に動き出し、「壊したい」と呟く姿が印象的に描かれました。
この初登場シーンは、彼のキャラクター性と物語全体の方向性を象徴する重要な瞬間となっています。

第2章 死柄木弔の個性「崩壊」の仕組みと進化

死柄木弔の個性は「崩壊(ほうかい)」と呼ばれ、触れた対象を粉々に崩れさせる非常に危険な能力です。作品の中でも屈指の破壊力を誇り、その特性は彼の内面にある「壊すことでしか救われない」という歪んだ理想と深く結びついています。崩壊は、彼の思想を象徴する個性といってよいでしょう。

■個性「崩壊」の基本挙動

発動条件は、五本の指で対象に触れた際とされます。接触点から崩壊が広がり、物質・生体を問わず粉塵のように分解されていきます。対象に伝わった崩壊は瞬く間に連鎖し、遮断しなければ周囲へと拡散していきます。作中では「床」「建物」「人間」といったあらゆるものが例外なく崩れ去り、死柄木弔が素手で触れること自体が脅威とされています。彼が全身に手袋や“手”の装飾を身につけているのは、力の象徴であると同時に、その危険性を自ら封じる意味合いもあると考えられます。

■覚醒と能力の拡張

「超常解放戦線編」において、死柄木はドクター(殻木球大)による肉体改造を受け、昏睡状態ののちに完全覚醒します。このとき、崩壊は従来のように「触れた対象のみを破壊する」段階から、「接触点を中心に広範囲へ伝播する」形へと進化しました。覚醒直後、病院の研究施設から周囲一帯へと波及し、都市そのものを飲み込むほどの規模に達します。この描写はアニメ第6期第118話「破滅のボルテージ」で映像化され、シリーズ全体でも最も圧倒的な破壊シーンの一つとして知られています。

■制御とリスク

この個性は強力である反面、制御を失えば自らの周囲すべてを巻き込む危険を伴います。死柄木が幼少期に経験した悲劇――家族をも崩壊させてしまった出来事――は、まさに力の暴走によるものでした。それ以来、彼にとって「壊す」という行為は罪と快楽が混在した行動となり、精神の不安定さと不可分な関係を保ち続けています。覚醒後はAFO(オール・フォー・ワン)との精神的融合が進み、肉体と個性の制御が格段に高まりましたが、同時に人格の境界が揺らぐ描写も見られます。崩壊は、もはや単なる能力ではなく、彼の存在そのものを定義する“呪い”とも言えるでしょう。

■他キャラとの関係と相性

  • 相澤消太(イレイザー・ヘッド):個性抹消で一時的に崩壊を封じられる数少ない相手。ただし、距離や集中力の制限があり、完全に止めることはできません。
  • 緑谷出久(デク):「OFA」と「崩壊」は、創造と破壊という対照的な力として描かれ、二人の戦いは単なる能力勝負を超えて“継承の意味”そのものを問う構図になっています。
  • オール・フォー・ワン(AFO):死柄木を後継者として育て上げ、肉体改造や個性強化を主導した存在。崩壊の覚醒はAFOの影響下で生まれたとも考えられます。

■代表的な「崩壊」シーン

  1. USJ襲撃(アニメ第1期・第9〜13話)
     初めて能力を使用し、ヒーロー社会に強烈な印象を残す。
  2. オーバーホール無力化(アニメ第4期・第14話/通算77話)
     護送中のオーバーホールを襲撃し、Mr.コンプレスとの連携で両腕を奪い、崩壊で完全に行動不能にする。
  3. 超常解放戦線編(アニメ第6期第118話)
     覚醒後、病院から市街地へ崩壊が連鎖的に広がり、都市が崩れ落ちるシリーズ最大級の破壊描写。

これらのエピソードはいずれも、死柄木弔というキャラクターの成長や心の変化を象徴する重要な場面です。特に覚醒回は、彼が“人間を超えた災厄”として生まれ変わる転換点となっています。
見返す際は、DMMプレミアムで配信中の『僕のヒーローアカデミア』第6期第118話を中心にチェックすると、崩壊の全貌を最も迫力ある形で体感できます。

第3章 死柄木弔の過去と家族――“破壊”の原点にあるもの

死柄木弔の過去は、『僕のヒーローアカデミア』の中でも最も深く、痛ましい物語のひとつです。彼の本名は志村転弧(しむら てんこ)。かつてオールマイトの師として知られる志村菜奈(しむら なな)の孫にあたります。幼少期の彼は温かい家庭を望んでいましたが、祖母・菜奈がヒーローとしての使命を優先し家族を手放したことで、その絆は早くも断ち切られていました。

■幼少期の志村転弧と家族

転弧の父・志村弧太郎は、母・菜奈に捨てられたと感じ、ヒーローを強く憎んでいました。
その影響で「ヒーローの話は禁止」と家庭に厳しいルールを課し、転弧が憧れを口にするたびに叱責しました。母・志村直や姉・志村華はそんな彼を気にかけていましたが、弧太郎の支配的な態度が家族の空気を重くしていきます。
それでも転弧は、誰かに認められたいという思いを抱え、心の中では「ヒーローになりたい」という小さな夢を捨てられずにいました。

■“崩壊”の始まり

ある日、転弧の体に異変が起きます。
家の飼い犬・モンを撫でた瞬間、その身体が粉々に崩れ始めたのです。何が起きたのか理解できないまま、恐怖と混乱の中で家族に助けを求める転弧。
しかし、次に触れた姉の華、そして母・直、祖父母までもが崩壊の連鎖に巻き込まれ、最後に残った父・弧太郎も、怒りと恐怖の中で自らの手によって崩壊させてしまいます。
それが、後に“死柄木弔”となる少年の運命を決定づけた瞬間でした。
この一連の惨劇は、アニメ『僕のヒーローアカデミア』シーズン5第111〜112話で詳細に描かれています。

■「誰も助けてくれなかった」記憶

家族を失い、崩れ落ちた家の前で泣き叫ぶ転弧。
彼は助けを求めて街をさまよいましたが、通行人は立ち止まっても、誰ひとりとして手を差し伸べてはくれませんでした。
粉塵に覆われ、涙で顔を汚しながら見上げた世界は冷たく、少年の心に「自分は誰にも必要とされない」という確信を刻みつけます。
後年の「誰も助けてくれなかった」という彼の言葉は、この記憶を指しています。

■オール・フォー・ワンとの出会い

そんな転弧の前に現れたのが、闇の支配者オール・フォー・ワン(AFO)でした。
AFOは彼に優しく声をかけ、「壊したいなら壊せばいい」と語りかけます。
愛を失い、居場所をなくした少年にとって、その言葉は“初めて自分を受け入れてくれた存在”のように響きました。
このとき、AFOは転弧に「死柄木弔」という新しい名前を与え、過去を断ち切るよう促します。
「死柄木」はAFO自身の姓、「弔(とむら)」には“弔う”という意味が込められており、AFOにとっても“哀れな少年への皮肉”を含んだ名づけでした。

■“手”が象徴する記憶

死柄木弔が身にまとう“手”は、過去の象徴です。
顔を覆う手は父・弧太郎の左手であり、本人は「父さん」と呼んでいます。
その他の手も、家族や過去に関わった者たちのもので構成されており、のちに初めて殺したチンピラ2人の手も加わっています。
これらの“手”は、彼にとって「罪の記憶」であり、「生きている実感」でもあります。
AFOが彼にそれを“贈り物”として与えたことは、彼の精神を完全にヴィランの側へと引き寄せる行為でした。

■血の宿命と“継承”の物語

志村転弧が志村菜奈の孫であるという事実は、作品の主題「継承」を象徴するもう一つの線として描かれています。
OFAを継いだ緑谷出久と、AFOを継承した死柄木弔。
二人は光と闇、創造と破壊、救済と絶望という対になる存在です。
菜奈が家族を守るために距離を置いた決断は、結果的に孫を孤独へと追いやり、AFOの手に落ちる遠因となりました。
死柄木の心の奥には、祖母への憎しみと同時に「本当は助けてほしかった」という幼い願いが、今も微かに残っています。

■「破壊」は悲しみの裏返し

死柄木弔の“破壊”は、ただの暴力ではありません。
それは、誰にも救われなかった少年が見出した、唯一の“つながりの形”でした。
彼の言葉「せいぜい頑張れ、ヒーロー」は、嘲笑でありながら、かつて憧れた自分への皮肉でもあります。
彼が壊そうとする世界は、愛されなかった自分を映す鏡であり、壊さなければ生きられない痛みの象徴でもあるのです。

死柄木弔という存在は、単なる悪役ではなく、救われなかった“子ども”の成れの果てとして描かれています。
その悲劇的な背景があるからこそ、彼の破壊の行動には哀しみと人間性が滲んでいます。

『僕のヒーローアカデミア』を見返すなら

死柄木弔の「過去」と「覚醒」は、アニメ第5期・第6期で描かれます。
DMMプレミアムなら、全期が見放題。心をえぐる“死柄木の原点”を、もう一度。

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第4章 死柄木弔の名シーンとセリフ――崩壊の中にある“叫び”

死柄木弔の言葉や行動には、常に「壊す」という言葉以上の意味が込められています。
それは、世界への憎悪と同時に、救われなかった自分への問いかけでもあります。
彼の名シーンを時系列に沿って振り返ると、その叫びがどのように“理念”へと変化していったのかが見えてきます。

■USJ襲撃編――初めて世界に敵意を向けた瞬間(第1期・第9〜13話)

死柄木弔が初めて本格的に登場したのは、雄英高校を襲撃するUSJ編です。
このとき彼は、ヒーロー社会そのものを否定するような姿勢を見せました。
彼の行動や言葉の端々には、「壊すこと」こそが自分の存在証明だという歪んだ信念が表れています。
まだ感情的で衝動的だったこの頃の弔は、まさに“壊すしかできない少年”の延長線上にいました。
アニメでは、内山昂輝さんによる不安定でどこか幼い声色が、その危うさをより際立たせています。

■「誰も助けてくれなかった」――過去を語る静かな独白(第5期・第112話)

幼少期の記憶を取り戻す場面では、死柄木の根底にある孤独が明らかになります。
家族を失い、街をさまよった少年を誰も助けなかった――その絶望が、のちの“世界への破壊衝動”へと変わっていきます。
この回で彼が見せた涙と笑みは、怒りとも悲しみともつかない表情であり、彼という存在を象徴するものです。
彼が繰り返し語る「誰も助けてくれなかった」という想いは、以後の行動すべての原点になりました。

■覚醒と挑発――“壊す”から“裁く”へ(第6期・第118話)

超常解放戦線編で死柄木は覚醒し、崩壊の範囲を都市全体へ拡張させるほどの力を手にします。
瓦礫と灰の中で彼が放った言葉の数々には、もはや若者の反抗ではなく、“旧時代の正義を終わらせる者”としての確信が宿っていました。
ヒーローたちに対して挑発的な言葉を投げかけながらも、その表情には空虚さが漂い、彼自身もまた“壊すことでしか進めない存在”であることが伝わります。
このシーンは、破壊の美学と哀しみが共存する、シリーズ屈指の名場面として知られています。

■AFOとの融合――支配と自我のはざまで(第6期・第131話)

覚醒後、死柄木はオール・フォー・ワン(AFO)との精神的な融合を経て、次第に己の存在を失っていきます。
しかしその中で、彼はかすかに「俺は俺だ」と訴えるような意思を見せ、AFOの支配に抗おうとします。
完全に飲み込まれることを拒み、自己を保とうとする姿には、かつて世界に拒絶された少年の“生きようとする意志”が垣間見えます。
それは皮肉にも、彼が最も人間らしく輝く瞬間でもありました。

■演出が語る“崩壊の美学”

死柄木弔の名シーンは、セリフだけでなく映像演出にも象徴性があります。
“手”が落ちる瞬間、白い髪が風に揺れる場面、そして崩壊の波が静寂の中で広がっていく描写――どれも彼の心情を視覚的に表現しています。
破壊の瞬間が美しくすら感じられるのは、監督・長崎健司が描く「静と動の対比」が緻密に計算されているからです。
彼の“壊す”という行為は、怒りではなく、過去と向き合うための祈りのようにも映ります。

■セリフが示す“救われなかった者の哲学”

死柄木弔の言葉は、一貫して「救済」を裏返した形で語られます。
壊すことでしか世界と関われない――それは彼なりの“助けの形”なのかもしれません。
デクがOFAを通じて人を“繋ぐ”存在であるのに対し、弔はAFOを継ぐ者として“断ち切る”ことを選びました。
二人の関係は、光と闇ではなく、救われた者と救われなかった者という対比で描かれています。
死柄木弔のセリフは、その痛みと矛盾を静かに語る、もう一つの哲学なのです。

死柄木弔のセリフには、暴力の裏に“感情”があり、破壊の中に“意味”が存在します。
彼の言葉は決して正義ではありませんが、誰よりも人間らしい苦しみから生まれたものでした。

第5章 死柄木弔とオール・フォー・ワン――“継承”が生んだもう一つの運命

死柄木弔の成長を語る上で、オール・フォー・ワン(AFO)の存在は欠かせません。
二人の関係は師弟でありながら、同時に“支配と自我”のせめぎ合いでもあります。
AFOが作り出したのは、ただの後継者ではなく、自らの思想を宿す“器”でした。
そして死柄木弔は、その枠を超えて自分自身の存在を確立していくのです。

■AFOの狙い――“破壊”を継がせる計画(第5期・第112話)

オールマイトとの死闘によって肉体を損なったAFOは、自身の意志を次代へと受け継がせようとしました。
そんな中、志村転弧という少年に出会います。
家族を自らの個性“崩壊”で失い、誰からも救われなかった彼の心に、AFOは“居場所”を与えました。
彼の中に眠る破壊衝動を見抜いたAFOは、その怒りを導き、世界を壊すための新たな象徴として育てていきます。
このときから、死柄木弔はAFOの「理想を継ぐ者」として動き始めたのです。

■「死柄木弔」という名前の意味(第5期・第112話)

AFOが転弧に与えた“死柄木弔”という名は、単なる偽名ではありません。
“死柄木”はAFO自身の姓であり、“弔”は「弔う」という言葉から取られています。
それは、破壊を通じて“過去を弔う存在”として生まれ変わることを意味していました。
AFOが与えたその名には、「壊すことで救われる」という彼の歪んだ哲学が刻まれています。
この命名の儀式によって、志村転弧という少年は完全に“死柄木弔”として歩み出しました。

■覚醒――都市を飲み込む崩壊(第6期・第118話)

改造と覚醒を経て、死柄木弔の個性“崩壊”は新たな段階へと進化します。
指先から触れたものだけでなく、接地面全体へと連鎖的に崩壊が広がる力
彼は街をまるごと灰へと変え、その中心で不敵に笑う姿を見せました。
それは、かつてAFOが望んだ“支配”ではなく、死柄木自身の“解放”の象徴でもありました。
もはや彼は誰かに操られる存在ではなく、自らの意思で世界を塗り替えようとしていたのです。

■AFOとの内面衝突――奪われる自我と抗う意志(第6期・第131話)

覚醒後、AFOの意識は死柄木の精神世界に侵食し、二人はひとつの存在へと融合し始めます。
AFOは完全な支配を目論む一方で、死柄木の心はそれを拒絶します。
「俺は俺だ」と抗おうとする意志は、かつて壊すしかなかった少年の中に生まれた、初めての“自我”の証でした。
その瞬間、AFOは自らの思惑を超えて、制御不能な“継承”を生み出してしまったのです。
この心理的な戦いは、彼の成長を象徴する大きな転機となりました。

■OFAとの対比――“繋ぐ継承”と“断ち切る継承”

『僕のヒーローアカデミア』の物語は、ふたつの「継承」を軸に展開します。
ひとつは、緑谷出久がオールマイトから受け継いだOFA(ワン・フォー・オール)
もうひとつが、AFOから死柄木弔へと受け継がれた“負の継承”です。
デクが人を守り、繋げるために力を使うのに対し、弔は断ち切り、壊すことで新たな自由を求めます。
それは“正義と悪”という単純な構図ではなく、「赦し」と「拒絶」という二つの価値観の対立として描かれています。
継承とは、ただ力を受け継ぐことではなく、“何を信じ、何を終わらせるか”という選択そのものなのです。

■AFOが恐れたもの――“支配を超える存在”

AFOは長年、自分の思い通りに世界を操ってきました。
しかし、死柄木弔の中に芽生えた自我は、その支配の輪を崩す脅威となります。
AFOが作り出したはずの“器”は、いつしかAFO自身を否定する存在へと変わっていきました。
支配者が生んだのは、最も制御できない“自由”――それが死柄木弔という男でした。
そして、その自由の象徴として彼が対峙するのが、OFAの継承者・緑谷出久なのです。

死柄木弔とオール・フォー・ワンの関係は、単なる師弟ではなく、「継承」という名の呪縛と解放の物語です。
AFOにとって弔は後継者でありながら、やがて“支配を壊す存在”へと変わっていきます。
壊すことでしか自由を得られなかった彼が、最終的に何を“継ごうとする”のか――
その答えは、デクとの最終決戦の中で明らかになっていきます。

第6章 デクとの宿命――“壊す者”と“救う者”の最終決戦へ

死柄木弔と緑谷出久(デク)の関係は、単なるヒーローとヴィランの戦いではありません。
それは、「救われた者」と「救われなかった者」という二つの継承の物語として描かれています。
破壊と救済、断絶と絆――二人の軌跡は、同じ“孤独”から始まりながら、まったく正反対の結末へと進んでいきます。

■救われた少年と、救われなかった少年(第5期・第112話)

デクはオールマイトからOFA(ワン・フォー・オール)を受け継ぎ、誰かを救うために力を磨いてきました。
一方、死柄木弔は幼少期に家族を“崩壊”させてしまい、誰にも手を差し伸べられないまま憎悪に飲まれていきます。
アニメ第5期第112話「死柄木弔 オリジン」では、その過去と命名の真実が描かれました。
「誰も助けてくれなかった」という独白が、彼の全行動の根底にある痛みを象徴しています。
同じ“無力だった少年”でも、デクは救われ、弔は見捨てられた――その違いこそが二人の宿命を分けたのです。

■覚醒――都市を呑み込む崩壊(第6期・第118話)

改造と覚醒を経て、死柄木弔の個性“崩壊”は触れたものすべてを連鎖的に破壊する力へと進化します。
第6期第118話「破滅のボルテージ」では、病院から市街地全体へと崩壊が広がり、
彼の存在がヒーロー社会そのものを脅かす脅威へと変貌していく様子が描かれました。
その姿にはもはや怒りや迷いはなく、AFOが求めた“究極の破壊者”として完成していく様子が見て取れます。
しかしその眼差しの奥には、どこか“空虚”が宿り、彼がいまだ満たされない存在であることを静かに示していました。

■AFOとの内なる闘い――奪われる自我と、抗う心(第6期・第131話)

覚醒後、AFOの意識は死柄木の精神に入り込み、完全な支配を目論みます。
第6期第131話では、融合が進む中でも弔が「俺は俺だ」と抵抗を示す場面が描かれました。
AFOが植えつけた“破壊の意志”に飲み込まれながらも、弔の中には確かに“自分として生きたい”という心が残っていたのです。
それはかつて、誰にも理解されずに世界を壊すしかなかった少年が、ようやく見つけた“人間らしさ”の断片でもありました。

■「救う」と「壊す」――二つの継承が交差する

OFAとAFO――二つの継承が象徴するのは、“繋ぐ力”と“断ち切る力”。
デクが「救う」ことで未来を紡ごうとするのに対し、死柄木は「壊す」ことで過去を終わらせようとしています。
第6期後半では、デクが「倒す」のではなく「救いたい」と口にする場面があり、
戦いの意味は“勝敗”ではなく“赦し”へと変化していきます。
互いの拳が交わる瞬間、それは力のぶつかり合いでありながら、
同時に“心と心の継承”でもあるのです。

■視聴ガイド――死柄木弔の歩みを追う

区分話数/エピソード内容概要
第1期(第9〜13話)USJ襲撃編死柄木の初登場。未熟ながらも世界への敵意を示す。
第5期(第111〜112話)死柄木弔:オリジン過去と命名、AFOとの出会いが描かれる。
第6期(第118話)覚醒の瞬間都市規模の崩壊が起こる。
第6期(第131話)AFOとの融合自我と支配の対立が描かれる。

これらのエピソードは『僕のヒーローアカデミア』の中でも特に重要な回です。
DMMプレミアムではアニメ全期が順次配信中のため、
死柄木弔というキャラクターの変化――“壊す少年”から“自我を取り戻す存在”への歩み――を追体験することができます。
視聴時は最新の配信状況を公式サイトでご確認ください。

■継承の物語は、まだ終わらない

デクと死柄木の戦いは、力の継承だけでなく、心の継承をめぐる物語です。
AFOの支配を超えて自らの意志を貫こうとする死柄木、
そして彼を救おうと手を伸ばすデク――。
二人が交わす拳の行方は、単なる勝敗ではなく、「人は何によって救われるのか」というテーマの答えへと繋がっています。
この宿命の物語は、第7期、そして劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』へと続いていきます。

壊すことしかできなかった少年が、誰かの言葉で再び立ち上がる――。
死柄木弔と緑谷出久の戦いは、破壊と救済の狭間で揺れる“継承の物語”として、今も進化を続けています。

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